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EVでエンジンが消える?苦悩する社長たち


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ビジネス特集

10月19日 22時25分

世界の自動車市場で一斉に動き出した電気自動車への移行。「EVシフト」に、今、日本の自動車の部品業界がかつてない危機感を募らせています。動力がエンジンからモーターに変われば、7000点もの精密なエンジン部品が不要になってしまうからです。いったいどんな思いで、この急速なEVシフトを見つめているのか? 大手の自動車部品メーカーの社長を追いかけました。
(経済部記者 吉武洋輔)
エンジンがなくなる 募る危機感

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私が取材したのは部品メーカーの「ケーヒン」。従業員は2万2000人。国内、海外に38の工場を持つ大手です。主力製品はエンジンにガソリンを吹きかける「インジェクター」など、エンジン回りの部品です。売上の85%はホンダ向けで、エンジン部品のトップメーカーの1つです。
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そのケーヒンに衝撃を与えたのが、去年、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が投資家向けに発表したリポート。EVシフトが進むと受注が3割減少する可能性があり、先行きが厳しいメーカーの1つと名指しされたのです。
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日本経済を支える自動車産業は、トヨタやホンダなどを頂点に1次、2次、3次と、いくつもの部品メーカーが連なる巨大なピラミッド構造になっています。中でも基幹部品のエンジンは、7000点もの部品でできています。エンジンが主流でなくなると、影響はもちろんケーヒンにとどまりません。

EV化に苦悩する社長

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そのケーヒンを率いるのが、去年、社長に就任した横田千年さん(59)です。もともとホンダのエンジニアで乗用車の開発をしてきました。大学生のころ、大ヒットしていた初代シビックに憧れホンダに就職。アメリカの大型V8エンジンの音だけを録音したレコード鑑賞が楽しみだったというほどの“エンジン好き”でした。
そんな横田社長が、皮肉なことに、エンジンからモーターへのEVシフトに直面しているのです。
横田社長: 私たちの会社は、売上げの半分くらいがエンジン部品系なので、非常に大きな影響があると思っています。エンジンだけじゃなくて、排気管から何から全部変わっていくので、過去100年間の仕事のやり方が全く変わっちゃうと思っています。取引先もたくさんいるので、自動車の電動化は、考えただけで恐ろしいことです。

ヨーロッパで見たものは…

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9月に開かれたドイツ・フランクフルトのモーターショー。そこに横田社長の姿がありました。展示されている最新の電気自動車のボンネットを開けて、モーターや部品を食い入るようにチェックしていました。

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ヨーロッパでは、7月にイギリス・フランス政府が2040年を目標にガソリン車やディーゼル車の販売を禁止することを相次いで発表。予想を超えるEVシフトが加速していることに焦りをあらわにしました。
横田社長: 去年9月のパリモーターショーの際に、「電気自動車が来るぞ」という話は聞こえてきましたが、この夏に英仏や中国がEV強化の方針を出して、いよいよ動き出したと。全部、たったこの1年の話です。思った以上に急激な流れですね。


変化に追いつけるか

ただ悲観的になるばかりではいけないと、横田社長はすでに動き始めています。ことし5月に発表した中期経営計画には、「次世代電動車技術の構築」という目標を盛り込み、電気自動車向けの部品開発を事業の中心に据えました。

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「xEV事業戦略室」と名付けた組織も新設。さらに新卒の採用方針も大きく見直しました。10月はじめの内定式で目立ったのは電気工学専攻の学生。機械系の学生を減らし、採用の6割を電子系に“シフト”したのです。

さらにEV化を進める中国市場に新たな足がかりを築こうとしています。エンジン内に噴射するガソリンの量をコントロールする電子制御ユニットを応用して、電気をモーターに流す量をコントロールするユニットを開発。中国で売り込みを始めています。売上のほとんどがホンダ向けというこの会社にとって、迫るEVシフトを前に、どれだけ新規顧客を開拓できるかは会社の未来も左右します。
横田社長: 私たちのようなエンジン系の部品メーカーこそ、早めにかじを切らないと間に合わないと思います。電気自動車になると部品の数が減ります。それでも同等の売上げ、もしくは売上げを伸ばすということになると、もっと多くのお客さんに売っていかないと成り立ちません。
昔のように1社に供給していればよい、という時代じゃなくなってきた。中にいる従業員には大変なことですけど、なんとか電子部品の技術を深め、事業の中心に据えたいと思っています。

自動車ニッポンはどこへ

今、自動車業界の最大の関心の1つは、EVがどのくらいのスピードで、どのくらいの規模まで普及するかです。世界の自動車市場で電気自動車の割合は、今はまだ1%にもなっていません。1回の充電で走れる距離が、エンジンの車に比べて短いこと。価格が高いこと。電力・充電設備をどう確保するかも課題です。

このため「普及はまだ先」、「結局はそんなに普及しない」といった冷静な見方があります。巨大な産業ピラミッドを構築し、エンジン技術で世界をリードしてきた自動車業界ゆえに、電気自動車時代の到来を現実として受け入れたくないという思いも感じます。そんな中、“エンジン好き”の横田社長の次の言葉が印象に残りました。
横田社長: 車から排ガスが出ると、どうしても空気は汚れます。ハイブリッド車でも排ガスは出ます。地球にとって究極の理想は、排ガスを出さず再生可能エネルギーの電気で動く車です。先に進んでみないとわかりませんが、来るときはパッとくる。最後は電気自動車になるんでしょう。

こう話した時の横田社長の表情に焦りや不安はなく、もうやるしかないという覚悟がにじみ出ているようでした。
エンジンからモーターへ。ガソリンから電気へ。自動車業界に起こり始めた100年に1度の変化をどう乗り越えるか、自動車ピラミッドを支える経営者ひとりひとりの判断、手腕が、日本経済の行方も左右する可能性があります。

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経済部記者
吉武洋輔
平成16年入局
名古屋局をへて経済部
エネルギーや金融業界など取材
現在、自動車業界を担当

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NHK NEWS WEB
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悪夢の「マツダ地獄」を止めた第6世代戦略

一度マツダ車を買うと、数年後に買い換えようとしたとき、下取り価格が安く、無理して高く下取りしてくれるマツダでしか買い換えられなくなる。その「マツダ地獄」をマツダ自身が今打ち壊そうとしているのだ。
[池田直渡,ITmedia]

「マツダ地獄」という言葉がある。一度マツダ車を買うと、数年後に買い換えようとしたとき、下取り価格が安く、無理して高く下取りしてくれるマツダでしか買い換えられなくなる。その結果、他社のクルマに乗り換えできなくなることを表した言葉だ。発想の原点は「無間地獄」だろう。

誰も得をしていない



 なぜマツダはそんなひどい言われ方をしていたのだろう? マツダは新車の販売が下手だった。ブランドバリューが低いからクルマを売るとき、他社と競合すると勝てない。あるいは勝てないという強迫観念を営業現場が持っている。それを挽回してマツダ車を買ってもらうために、分かり易いメリットとして大幅値引きを行う。しかし値引きが常態化して新車の実売価格が下がれば、好き好んで新車より高い中古車を買う人はいないので、新古車でさえ値段が下がる。そこから先はドミノ倒し式の崩壊だ。つまり新車の値引きは中古価格の暴落を生む。しかも新車以上に中古車はブランドイメージで値段が変わる。
 そうなると、仮に新車から5年乗って「そろそろ新しいクルマに……」と思っても、下取り価格が低くて買い換えを躊躇(ちゅうちょ)するユーザーも一定数出てくる。元々が新車値引きに釣られて買ったユーザーなので、経済的にもあまり豊かとは言えない。そういう人が低い下取り価格に直面すれば「もう少し乗るか」という判断になりがちだ。
 そうやって年式がどんどん落ちていき、さらに査定額が下がる。結局買い換えの踏ん切りが付くのはもうクルマの商品としての寿命が尽きた後。そんなときに下取り車に何とか値段を付けてくれるのはメーカーが下取り促進費を負担するマツダだけ。だからまたマツダになる。そして手元不如意のためまた大幅値引きを要求する。

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第6世代の集大成として2巡目のトップバッターとなった新型CX-5。約1ヶ月で目標の約7倍となる1万6639台を受注した

 「ずっとマツダに乗ってくれるならいいじゃないか」と言えないのは、それが常に強い値引き要求と買い換えサイクルの長期化という問題を含んでいるからだ。デフレスパイラルにも似たネガティブな輪廻が繰り返されており、長期的に見ればユーザーも販売店もメーカーも誰も得をしていない。

ブランド価値の向上



 この地獄を脱出しない限り、マツダに未来はなかった。先代CX-5から始まる第6世代商品群は、この問題に真剣に取り組むことからスタートした。それがマツダの言う「ブランド価値の向上」だ。「どこでも聞くような標語だなぁ」と当時は思っていたが、そうではない。例えば、余命宣告された人が「健康は大事だよ」と静かに言うような覚悟と思いの込められた言葉だったのである。マツダの「ブランド価値の向上」はハイファッション・ブランドの人たちが言うようなスカした抽象論ではなく、ビジネスの根幹にあるクルマの販売を根本的に改革することこそが目的である。

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マツダの変革の最初の狼煙は初代CX-5だった。エンジンから始まり、ようやくシャシーまでがSKYACTIV化されたフルSKYACTIVの第1号として2012年に登場した

 この輪廻を断ち切るための現実的なスタートは新車の値引きをしないことだ。しかし、ただ販売店に値引きを禁じれば良いというわけにはいかない。そんなことをメーカーが販売店に強要したら独禁法違反でアウトだ。なので、値引きをしないで売れるためには何がどうあるべきかを根底から考えなくてはならない。
 値引き勝負をしないためには、クルマの価値を認めてもらうことだ。幸いなことにマツダには歴代ロードスターという成功例があった。ロードスターを買うユーザーは、安いから買うわけではない。ロードスターの価値を認めて、まず商品に惚れ込み、その上で懐具合と相談する。「4人乗れて動く安いヤツ」を探しているわけではない。しかし、商品として極めて個性的なロードスターならともかく、ほかの基幹車種をどうやってそのパターンに持ち込むのか? それは相当に難しいことに思える。

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1989年に、突如ライトウェイトスポーツカーというジャンルを復活させた初代ロードスター。当時はユーノス・ブランドで販売されていた

 第6世代商品群を作るにあたって、マツダはまず走りとスタイルに個性を持たせた。全員に好かれようと考えるのを止めて、2%の人がどうしても欲しいクルマを作ることにした。ロードスターに範を取り、全マツダ車の位置付けをそう再定義したのだ。そんなことをして大丈夫なのだろうか?
 実は、世界の新車販売台数は約1億台だから、2%は200万台になる。2017年3月期のマツダの通期販売見通しは155万台だ。だから2%は決して諦めの数字ではなく、むしろ野心的な数字とさえ言える。それができるかどうか以前に、誰にも好かれようとして無難なクルマを作っても、それを販売力で押し切れないことは既に長い実績が証明している。それがダメだということだけはハッキリ結論が出ているのだ。
 だから個性こそが大事だと考えた。しかし製品として個性的なクルマを作れば値引き要求されなくなるのか、と言えばそれはそんなに簡単ではない。「好きだから欲しい」という購入モチベーションは必要条件に過ぎず、十分条件ではない。マツダは販売から後の部分にも手を入れた。この詰め将棋のような戦略が面白い。

マツダの価値を変える覚悟



 まずは2年に一度のマイナーチェンジを止めて、毎年の商品改良に切り替えた。これにより、マイナーチェンジを挟んで前後のクルマの中古車価格の変動が少なくなり、クルマの価値が時間軸で安定する。狙いは中古車の流通価格の安定である。ブレがあると人は安値に注目する。だからマイナーチェンジで見分けが付きやすいほど外観を大げさに変えなくなった。
 そうやって流通価格を安定させた上で、残価設定型クレジットの残価率を引き上げた。一部の車種を例外として3年後の残価率55%を保証した。市場に任せるだけでなく、メーカー自身が市場価値を保証したのである。ここはブランド戦略の勝負どころだ。価値が落ちないことをメーカー自身が信じ、それを保証しなければ誰も信じない。

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ブランド価値向上の勘所として、3年後の買取価格を55%に設定。3年後に再度ローンを延長するか、現金決済するか、クルマを引き渡すかが選べる(出典:マツダWebサイトより)

 しかし、残価保証とはつまり買取保証ということなので、その戦略を完遂するためには、何が何でもリアルワールドでのクルマの価値を維持しなくてはメーカーが大赤字になってしまう。仮にユーザーが「買取価格が保証されているから、メンテは適当に」ということになると、劣化によって生じる市場価格との差額をマツダが補てんし続けることになる。そうならないためには中古車の劣化を食い止めなくてはならない。
 だからメインテナンスのパックメニューを用意した。期間はいくつか選べるため、多少の違いはあるが、基本的な考え方としてはタイヤ交換以外のすべての定期点検と消耗品交換を含むメニューで、購入後の予定外出費を不要にするものだ。これに加えて、制限付きながら、ボディの無償板金修理を負担する保険も用意した。徹底して価値の低下を防止する意気込みだ。
 このあたりマツダの都合とユーザーのメリットが一致しているのも面白い。マツダでは「お客さまの大切な資産を守る」と言う。ウソではないが、それはマツダにとってもマツダ地獄を抜け出すための重要な戦略なのだ。マツダの説明によれば、その結果、CX-5の新車を現金で購入後、7年間乗り続ける場合と、残価設定ローンで3年ごとに新車に乗り換え、7年目の時点の支払額がほぼ同額になるのだと言う。ユーザーはいつも新車に乗っていられるし、マツダは3年ごとに新車を買ってもらえてまさにwin-winだ。

数値結果



 さて、こうした戦略をとったマツダだが、第6世代が一巡して、マツダ自身が6.5世代と位置付ける新型CX-5が登場したところでこの戦略は成功しているのだろうか?
 まずは、狙い通り乗り換えサイクルが短縮したのか? 長期化すれば下取りが悪化して地獄へ逆戻りだけに、ここは重要だ。新型CX-5は今年2月2日の発売から約1カ月で1万6639台を受注した。目標の約7倍となる成功だ。しかも注目すべきは、初代CX-5からの下取り乗り換えが39%に達していることだ。初代のデビューは2012年なので、つまり最長でも5年以内の乗り換えということになる。
 初代CX-5が出た2012年の例を見ると、41%がマツダ車からの乗り換えだったが、新型ではこれが66%に上がった。「マツダ車からマツダ車への乗り換えはマツダ地獄ではないのか?」と考える人もいるだろうが、前述の通り、初代CX-5から5年以内に乗り換えているケースが多い上、安全装備が付いた上位グレード、Lパッケージとプロアクティブが受注の95%を占めている。つまりお金がない中で苦労して乗り換えているという様子には見えない。マツダの人に聞くと、「下取りが予想外に高くて喜んでいらっしゃるお客さまが多いです。その結果、上位グレードが売れているのではないかと思っています。マツダ地獄じゃなくてマツダ天国になったのかなと……」。
 マーケットは不思議なもので、時代に即応する。良いクルマはほぼ間違いなく中古車価格が高い。ただし中古車価格が高いクルマが良いクルマとは限らない。いずれにしても下取り額が上がり、買い換えサイクルも短縮された。程度の良い中古が市場に増えれば中古車マーケットも賑わう。そして何より大事なのは、マツダが新車販売を値引き勝負で戦わなくて済むようになったことだ。こういう戦略があればこそ、ディーラーのCI(コーポレート・アイデンティティ)変更も順次行われている。黒を基調にした新しい店舗への刷新は、マツダのブランド価値の向上の重要なパーツなのである。

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ディーラーそのものも新世代へ移行している

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黒を基調にした新デザインに改められたディーラー。外観も内装もこれまでのイメージを刷新した

 以上はマツダの説明を基に筆者が見立てた第6世代がマツダの何を変えたのかについての分析である。マツダから提供された数値については、筆者もそれなりに納得しているが、少し意地悪に見れば、マツダのラインアップの中で車両価格が比較的高いCX-5であることも勘案すべきだと思う。デミオでこうした数字が出て来たとき、作戦の成功が確実なものになるだろう。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)
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 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
 現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。
 →メールマガジン「モータージャーナル」

2017年03月20日 07時00分 更新
詳細は↓をCLICK
ITMedia ビジネスOnline
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なぜマツダのディーゼルエンジンはクリーンなのか?


マツダ絶好調の秘密はここにある!【7】

PRESIDENT Online スペシャル /PRESIDENT BOOKS

著者
ジャーナリスト 宮本喜一=文 2016年3月16日(水)




革新的なディーゼルエンジン開発のカギは、ディーゼルエンジンの弱点を完全に克服することにあった。つまり、排気ガスを清浄化し、騒音と振動を抑え込み、高速でも快適に走り、しかも価格も消費者の手の届く水準にまでおさえること。これまでのディーゼルエンジンの持っている弱点をことごとく覆す、そんなディーゼルエンジンの開発こそがカギだ。マツダの開発陣はこの問題をどう克服し、ディーゼルエンジン開発に取り組んだのか。
「マツダのディーゼルエンジンは排ガス不正の独VWとどこが違うのか?」(http://president.jp/articles/-/17515)の後編。


なぜクリーンディーゼルはいいことずくめなのか

 マツダの開発陣は従来の発想とは違った方向を向いていた。


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パワートレイン開発本部パワートレイン技術開発部長・寺沢保幸は次のように語っている。

「圧縮比を下げる、開発の目標はこれです。ディーゼルエンジンの基本は、燃料と空気をよく混ぜることであり、よく混ぜればそれだけ排気ガスの浄化性能が向上します。よく混ぜるためにはどうするか? 圧縮比を下げてやるのが有効な手段です。なぜなら、圧縮比を下げてやればそれだけ混合気がよく混じり合うための時間を長くできるからです」

寺沢は、このディーゼルエンジンの開発が始まった2006年当時、パワートレイン先行開発部の主幹を務めていた。そこで、低圧縮ディーゼルエンジンの実用化の可能性を調べる実験を行なったという。具体的には、最終的に限界値以下ではないかも思える14という低圧縮のディーゼルエンジンを製作。これを氷点下30度という非常に低い温度の空間に入れて動かしてみた。しかも燃料は国内ではなく海外で出回っている最も着火性が悪いと評価されている軽油を使用した。

「とにかく回りましたよ。動きました。回れば実用化の可能性があるということです。いける! ということです」


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マツダのディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」

この時点でマツダの開発陣は、それまでのディーゼルエンジン開発の常識に真っ向から逆らう方針を立てることになった。つまり従来の「高性能を狙うためにいかに高圧縮を維持しながら、高圧縮に伴う排気ガスの問題を克服するか」という発想から離れ、「排気ガスの問題を大きく改善できる低圧縮化を図りながら、同時にいかにエンジンの出力向上を図るか」という真逆の発想をもとに開発に取り組むことになった。

 ディーゼルエンジンを燃焼させるには、点火プラグを使うガソリンエンジンと違い、シリンダー内の混合気を圧縮し燃料(軽油)自体に自己着火を起こさせる必要がある。圧縮比が低すぎると自己着火しないため、マツダのエンジニアは自己着火しない圧縮比の下限を探った。その結果、製品化可能な数字は14と決めた。

寺沢が言うように、ディーゼルエンジンの燃焼の基本は、空気(酸素)と燃料(軽油)をよく混ぜることだ。低圧縮化によって両者の混じり合う時間が長くなり燃焼効率が向上し、排気ガス中のNOxとPMの発生も減少する。その結果、マツダは、NOxの浄化装置の廃止に成功した。これによって、他社のディーゼルエンジンに必要な浄化装置の維持が不要となり、エンジン重量の軽量化にも寄与、さらにはコストダウンにも貢献するというさまざまな効果が生まれた。(図1参照)

低圧縮化はエンジンの重量を軽くできる

排気ガス浄化に大きな効果を発揮する低圧縮化を狙うのはひとつの考え方だとしても、出力の向上を図ろうとする高圧縮化と比較すると、乗用車としての商品性に直結する動力性能が不利になる可能性を否定できない、というのがこれまでの常識だ。

「しかし」と寺沢は続ける。

「高圧縮の場合、爆発燃焼させる時機を上死点から少し遅らせなければならず、そうなると低圧縮の場合と比較して必ずしも熱効率が高いとは言えないのです」

高圧縮の場合、上死点(ピストンが往復するときの最上位置)付近で燃料を噴射すると、燃焼の速度が速いために空気と燃料がムラなく混じる前に自己着火を起こす。つまりこの場合、必ずしも燃焼効率がよくないのだ。したがって、混合気が均一に混じる時間を稼ぐために、ピストンが上死点から少し下がったところに来るまで着火する時機を遅らせるのが一般的な手法になっている。逆に表現すれば、設計図上の圧縮比は高くても、実際に燃焼エネルギーが発生する膨張のプロセスがこの圧縮のプロセスと同一ではないことになる。つまり、気筒内部の圧縮の比率(一般的には16から18)が、実際にエネルギーを発生させる膨張比と一致しない。膨張比の値は設計上の圧縮比の値よりも小さくなる。したがってその分、期待できる熱効率は低下する。


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 これに対してマツダのディーゼルエンジンの場合は、低い圧縮比のおかげですでに述べたように混合気がよく混じり合うため、上死点で着火・燃焼を始められる。つまり、圧縮のプロセスと膨張のプロセスが一致するために圧縮比と膨張比の数値も同一となり、燃焼の効率に優れ高い出力が得られるのだ。(図2参照)

このように、低圧縮化は、NOxの発生を低減できるほかに、実はもうひとつ利点がある。エンジンそのものの重量を軽くできることだ。従来の高圧縮率のディーゼルエンジンでは、構造に高い強度が必要なことからシリンダーブロックは鋳鉄製が常識になっていた。低圧縮化すれば軽量のアルミが使える。エンジン本体の軽量化は、回転数の上限を引き上げ、さらには乗用車そのものの運動性能向上にも寄与する。

低圧縮化によって、マツダが最終的に製品化した2.2リッターエンジン(2012年に発売されたCX-5に搭載)の場合、シリンダー内部の燃焼時の最高燃焼圧力が従来の175bar(約177気圧)から135bar(約137気圧)に下げられたため、エンジンの構成部品・構造材に対する荷重が大幅に減少した。従来鋳鉄製だったシリンダーブロックはガソリンエンジン並みにアルミ製になる。またエンジン本体内部の機械抵抗が小さくなったため、エンジンそのものの重量も減少、とりわけ回転する部品の軽量化も顕著になった。

 なかでも、ピストンの上下運動を回転運動に変換する役割を持つクランクシャフトの直径が従来の61ミリから52ミリと小さく細くなり、ピストン1個の重量も570グラムから460グラムへと軽くなった。寺沢によれば、回転系の機械損失がエンジンの抵抗・損失全体の半分を占めるという。したがって、この重量削減によって、低圧縮化ディーゼルエンジンの機械抵抗の値は、従来の同社のガソリンエンジン並みにまで低下した。

革新的な開発のカギは意識改革にある

この回転部品の軽量化と機械抵抗の減少は、さらに、従来のディーゼルエンジン以上の高回転を可能にする。従来は毎分4000回転程度だったものが、5000回転以上にまで上昇させられるため、高速走行でも軽快な運転感覚が得られるようになった。つまり、従来の“高速域が苦手”というディーゼルエンジンの弱点の克服にもつながったのだ。

 ディーゼルエンジンの圧縮比14という低圧縮化に成功したことによって、マツダのエンジニアは、「動力性能の向上には高圧縮比の維持が必要、ただし高圧縮にすると環境性能の向上が困難になる」というディーゼルエンジン開発における常識的な二律背反の技術課題に一気に答えを出した。

ディーゼルエンジンの低圧縮化によって、以下の4つのメリットが生まれた。
(1)NOxの除去装置を文字通り“除去”、消費者の維持コストも同時に削減。
(2)エンジン本体の軽量化と同時に、(1)の除去装置の廃止に伴う一層の軽量化。
(3)(2)がもたらす全速度域における軽快な運転感覚。
(4)車両価格が高いというディーゼルエンジンの負のイメージを払拭。


このエンジンは、2014年9月に施行されたこれまでで最も厳格といわれているEUの排気ガス規制ユーロ6を、NOxの除去装置なしでクリアしている。これはマツダのエンジンだけにしかできない芸当だ。したがって、マツダに限っては、あのフォルクスワーゲンのようなスキャンダルが生まれる可能性は全くない。

さらに、今回の国土交通省の路上走行試験の関連で述べれば、これまでのような台上の排気ガス規制規準の認証だけではなく、実走行時の排気ガス規制規準を設けることが必要だ。それが真の意味で地球環境保護に資することにつながるし、さらには消費者の利益にもなるはずだ。逆に言えば、環境保護の観点から消費者はどんな乗用車を選ぶべきかをこれまで以上に考えるべきだろう。これは、排気ガス規制の数値だけではなく、燃料消費率の測定方法にも、台上の測定だけではなく、実走行時の燃料消費の計測も必要だということを示唆している。

 マツダのSKYACTIV技術を主導してきたマツダ常務執行役員の人見光夫は、開発における技術課題を克服するカギを握っていて、それを克服すれば関連する課題の多くが同時に解決する開発対象を、ボーリングにたとえて「一番ピン」と呼んでいる。“圧縮比14の達成”こそ、まさにこの一番ピンだった。これによって、動力性能の向上と排気ガス浄化性能の向上の両立が実現したと言ってよいだろう。

マツダのエンジニアがこの一番ピンを狙って開発に取り組んだプロセスは、もちろん簡単なものではなかった。2006年に着手してから、試作車をまとめあげそして走行試験で完成のメドがたつまでに、4年の歳月が必要だった。そして製品化にはさらに2年が費やされた。

今回の国土交通省による路上走行試験は、このマツダの開発活動がムダではなかったことを証明している。

こうしたマツダ独自のディーゼルエンジン開発にあたって、最大の難関は何だったのか? この質問に対して寺沢からの答えはこうだった。

「本当にそんな低圧縮のディーゼルがものになるのか? と疑ったエンジニアが社内にはたくさんいましたよ。無理もないと思います。それだけに、そうした既成の意識との戦いが最も厳しいでしたね」

革新的な開発のカギは、意識改革にある。

マツダのディーゼルエンジン、SKYACTIV-Dもその意識改革の産物のひとつだろう。

(文中敬称略)

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マツダのディーゼルエンジンは排ガス不正の独VWとどこが違うのか?

マツダのクリーンディーゼル快走の秘密

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マツダのクリーンディーゼル搭載車の快走が続いている。



3月3日、国土交通省が国産ディーゼルエンジン搭載乗用車6車種の路上走行を行ない、排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)量を測定した結果を公表した。それによると、マツダの2車種(デミオ、CX-5)以外の4車種が台上で実施する認証試験で定められている排出規準(0.08g/km)を2~10倍程度上回る数値を示したという。実走行時の排出規準が存在しないため、これらの測定結果について法的な問題はない。しかし、規制基準値の0.5倍から1.3倍にNOxを制御できたマツダ車の成績が際立っている。これはマツダのクリーンディーゼルが広く消費者に受け入れられている事実の技術的側面からの裏付けになっていると言える。

経営的な側面もまた、このマツダ・クリーンディーゼルの好調さを客観的に裏付けている。

具体的には2月4日に公表された2015年度第3四半期業績の数字からだ。同社の国内における昨年一年間の総登録台数は10万2509台となり、単一メーカーとして初めて、クリーンディーゼル搭載車の年間10万台を突破。しかもこれは、一昨年の14年に同社が記録した4万8856台の2倍以上という数字になっている。まさに急激な成長だ。

それだけではない、まだまだ市場規模が小さいとはいえ、クリーンディーゼル搭載車全体に占める国内市場のシェアも圧倒的だ。昨年一年間の国内総登録台数は15万3592台であるから、同社のシェアは実に70%、つまり、国内で販売されたクリーンディーゼル乗用車の10台に7台がマツダ車だった、ということになる。しかもこの製品カテゴリーに参入する企業が増加傾向を示している環境下であるにもかかわらず、一昨年の61%から、シェアを拡大しているのだ。

とりわけ昨年は9月にドイツの有力自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)のスキャンダルが公になり、ディーゼルエンジンに対する消費者の信頼が揺らぐという逆風が市場に吹き荒れたことを考慮すれば、この前年比倍増しかも10万台突破、シェア70%という数字には重みがあると言ってよいだろう。

今回の国土交通省の路上走行試験が実施されたのも、このVWのスキャンダルが動機だといわれている。
それではなぜ、逆風にさらされてもマツダのクリーンディーゼル搭載車の勢いは衰えず、好調を続けているのか。そしてまた、国土交通省の路上走行試験でも、基準値をほぼ満たすような優れた数値を記録できるのか。

その理由を考察するには、まず、昨年秋のVWのスキャンダルの内容を振り返る必要がある。というのも、VWの行為を振り返ることによって、マツダのクリーンディーゼルの技術的そして経営的な"強さ"が浮き彫りになると思われるからだ

昨年9月、米国の環境保護局(EPA)をはじめとする規制当局の発表によれば、VWは実際に販売している製品でディーゼルエンジンの排気ガス規制を回避するための不正を行なっていたことを認めたという。具体的には、ディーゼルエンジン車に搭載した電子制御装置のソフトウェアに細工をし、試験走行のときだけ意図的に規制モードに切り替え、通常走行のときには、排ガスに含まれる窒素酸化物の低減装置の一部または全部を無効化し、規制当局の検査に合格するようにしていた。これに該当するVW車は全世界で1100万台と公表された。

排ガスの窒素酸化物浄化装置そのものがない


このニュースが流れたとき、同じくディーゼルエンジン車を生産販売している国産輸入を問わず自動車メーカーには、ユーザーからの問い合わせが殺到、ひとりVW製乗用車だけでなくクリーンディーゼル乗用車の人気も一時的に低落した。国内のメーカーの中で、ディーゼルエンジン車の販売台数が最も多いマツダもその例外ではなかった。

それでも、マツダはあわてなかった。

その理由は次のように、きわめて単純でわかりやすいものだったからだ。マツダが乗用車に搭載しているディーゼルエンジンには、VWの不正の対象となった排気ガスの窒素酸化物浄化装置そのものが、付いていないのだ。したがって、付いてもいないものに“不正”を施す可能性など皆無。一般のディーゼルエンジンに装着されているはずの窒素酸化物浄化装置がない、これがマツダのクリーンディーゼルエンジン最大の特長・武器であり、消費者に対しても「マツダのクリーンディーゼル乗用車に不正の余地はない」という安心感を醸成できたのだ。

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この窒素酸化物浄化装置がない、という事実が、今回の国土交通省の路上走行試験でもすぐれた数値を記録した最も大きな理由なのだ。

それではなぜ、マツダのクリーンディーゼルエンジンには、窒素酸化物の除去装置が必要ないのだろうか?

一般的に、ディーゼルエンジンには、排気ガス浄化装置が2種類装備されており、それぞれで排気ガス中の窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM)を取り除く仕組みになっている。つまり、各国各市場における排出ガス規制に適応させるためには、NOx用とPM用の浄化装置が個別に必要であり、あらゆる自動車メーカーにとって従来はこの技術的対応が困難で、“浄化装置2種類”は自動車業界の常識になっていた。

ところがマツダは、年を追って厳しさを増す世界各地の排気ガス規制をクリアするディーゼルエンジンの開発にあたって、この2種類の浄化装置のうち、NOx用装置を排除する、というある意味で、“非常識な”方針を打ち出したのだった。開発開始から6年でその開発・製品化に成功した。マツダはこのエンジンに、SKYACTIV-Dという名称を付け、その第1号車としてCX-5というマツダの新型SUVに搭載した。2012年2月のことだ。

このNOx用の浄化装置がないディーゼルエンジンの開発に成功した理由は何か? 成功のカギは何だったのか?

同社でディーゼルエンジン開発一筋のエンジニア、パワートレイン開発本部パワートレイン技術開発部長・寺沢保幸による解説は明快だった。

独自の新しい乗用車を開発できるはずだ

マツダがこの独創的なディーゼルエンジン開発に着手したのは、今から10年前、2006年。折しもこの前年の2005年、国土交通省は国内で販売されるディーゼル自動車の排出ガス規制を強化する“新長期規制”を策定。さらに2009年にはこの規制は“ポスト新長期規制”となり一層厳しさを増した。このため、当時、国内のディーゼル乗用車販売は壊滅状態。というのも、ディーゼル車は排気ガスに問題があり、環境保全にマイナスという印象が国内の自動車市場に定着してしまっていたからだ。具体的には、排気ガスが汚い、音がうるさい、振動が大きい、高速でよく走らない、しかも車両の価格が高い、といった弱点を製品レベルで克服できていなかった。

マツダの開発陣は、このディーゼルエンジンの刷新にチャレンジする。そこには、革新的なディーゼルエンジンを核にすることによって、マツダ独自の新しい乗用車を開発すべきでありできるはずだという読みがあった。

革新的なディーゼルエンジン開発のカギは、このディーゼルエンジンの弱点を完全に克服することにあった。つまり、排気ガスを清浄化し、騒音と振動を抑え込み、高速でも快適に走り、しかも価格も消費者の手の届く水準にまでおさえる、裏返して言えば、それまでのディーゼルエンジンの持っている弱点をことごとく覆す、そんなディーゼルエンジンの開発こそがカギ、という意味だ。

排気ガスに問題があることで消費者の人気が衰退してしまったとはいえ、本来のディーゼルエンジンの長所はなんといってもガソリンエンジンよりも優れた燃料消費性能にある。というのも、圧縮比が16から18程度と高いために、一般的に9から11程度の圧縮比を持つガソリンエンジンよりも高い出力が得られるからだ。空気と燃料の混合気を圧縮する率、圧縮比が高ければ高いほど、燃焼したときに発生するエネルギーが大きくなるのだ。その種の教科書にも、「圧縮比を上げると熱効率が向上する」と書いてある、と寺沢は言う。

ただし、ディーゼルエンジンの場合、圧縮比を高くすればするほど排気ガス中のNOxが増加するという弱点が顕著に現れてくる。従来のディーゼルエンジンの開発では、一般的に、高い出力が得られる高い圧縮率の維持を優先させ、高圧縮に伴う弱点については、浄化装置に工夫をして出力の低下を抑え込む対策に重点を置いていた。つまり高圧縮の維持と排気ガス浄化装置のいわば“妥協点”を探る手法をとっていたのだ。

(文中敬称略)



2016年3月9日(水)

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PRESIDENT Online

マツダ絶好調の秘密はここにある!【6】

PRESIDENT Online スペシャル /PRESIDENT BOOKS



著者
ジャーナリスト 宮本喜一=文

宮本 喜一 

1948年奈良市生まれ。71年一橋大学社会学部卒業、74年同経済学部卒業。同年ソニー株式会社に入社し、おもに広報、マーケティングを担当。94年マイクロソフト株式会社に入社、マーケティングを担当。98年独立して執筆活動をはじめ、現在に至る。主な著書に『マツダはなぜ、よみがえったのか?』(日経BP社)、『本田宗一郎と遊園地』(ワック)や、翻訳書『ジャック・ウェルチわが経営(上・下)』(日本経済新聞出版社)、『ドラッカーの講義』(アチーブメント出版)、『勇気ある人々』(英治出版)などほか多数。

マツダのディーゼルエンジンは排ガス不正の独VWとどこが違うのか? マツダ絶好調の秘密はここにある!【6】
2016年3月9日
「マツダ営業方式」自分の道は自分で決めたほうが楽しいに決まっている マツダ絶好調の秘密はここにある!【5】
2015年12月30日
「マツダ営業方式」誰に対しても胸を張れる“生きざま”を考えろ! マツダ絶好調の秘密はここにある!【4】
2015年12月22日
マツダの品質管理「全数、全量、全世界」の凄み マツダ絶好調の秘密はここにある!【3】
2015年12月5日




【参考資料】
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図 国道交通省と環境省が実施したディーゼル車の排出ガス路上試験の結果
窒素酸化物の排出量を表したもの。両省の「排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会」向けの資料より。
2016/03/07 19:25
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日経テクノロジー
CAR watch

くるま

日本エレクトライク、EV3輪モデルを発表…川崎市に新たな自動車会社

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 東海大学と産学共同で開発を進めてきた日本エレクトライクの電動3輪自動車『エレクトライク』が、6月8日、国土交通省自動車型式認定制度の認定を取得した。これにより、日本エレクトライクは、晴れて新たな自動車会社として出発することになった。

新しく誕生したのは3輪車。昔風に言うならオート3輪である。ただし、その原動機はエンジンではなくモーター。即ちEVだ。

日本レクトライクの代表取締役松波登氏は、初年度生産100台、2016年度には200台の生産を目指すという。そもそもこのエレクトライク、電気を意味するエレクトリックと3輪車を意味するトライクを組み合わせた造語。写真でもわかる通り、その姿はまるで映画「3丁目の夕陽」にでも登場しそうな実に懐かしいスタイルを持ち、その構造も極めてシンプルだ。理由はキャビンとシャシーを含む骨格全体を、インドの2輪メーカー、バジャージ社から提供を受け、これをベースに松波氏のアイデアによって完成された新たなモーターを動力源とするEVに変貌を果たしているからである。

松波氏のアイデアは、3輪車にありがちな不安定な挙動を解消すべく、駆動輪である後輪に左右それぞれ個別のモーターを与え、それをさらに個別に制御するアクティブホイールコントロールを装備することで、転倒の不安を解消し安定したコーナリングを実現したものである。その構造は比較的簡単なものだが、アイデアは現在国際特許を申請中だというから興味深い。

バッテリーは日本製のリチウムイオンバッテリー。その容量によってグレードは2種あり、容量の大きな7.8kwhを搭載するモデルでは航続距離60km、その半分の3.9kwhのバッテリーを搭載するモデルでは30kmの航続距離が確保できる。なお、どちらも最高速度は49km/hに制御されている。ナンバーを取得した場合は250ccクラスのバイクと同等に扱われ、税金は年間2400円。勿論EVだから燃料費はかからず、充電も家庭でのコンセプトからの充電(100V、200V対応)のみとされ、急速充電には対応しない。このため1kmあたりのコストは僅か2円で済むという。

さらにこのエレクトライク、ベースモデルに好みのカーゴスペースを作り上げることができ、積載容量も150kgと集配業務に十分対応できる容量を備えているため、これまで狭い地域で電動自転車による集配を行っていた宅配業者なども、ユーザーとして想定している。

元々2006年に川崎市の起業家大賞を受賞したことで開発が進み、以来川崎市のサポートを受けてきたこともあり、生産も川崎市内で行われる。当面は直販のみで東京・神奈川県を中心に販売される。なお、価格はバッテリーサイズによって160万円、130万円に設定されているが、補助金の恩恵が受けられるため、安いモデルは100万円で購入ができるという。
《中村 孝仁》

2015年06月16日(火) 21時00分

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