中世随一の商都のにぎわいが現代に蘇る/福岡の市(岡山県 備前福岡)
岡山県南部、岡山三大河川のひとつ吉井川沿いにある集落『福岡』は歴史豊かなまちです。
古くは、国宝『一遍上人絵伝(いっぺんしょうにんえでん)』に、商都としてのにぎわいの様子が描かれ、宇喜多家、黒田家という名だたる武将たちとの縁を持つことでも知られるかつての山陽の要所です。
九州の福岡は、その地を治めることになった黒田長政が、黒田家の礎の地であった備前福岡から取り、名付けたと言われています。
その中世随一の商都と呼ばれたにぎわいを再びと、『地方創生』という言葉もないころから、地元の有志たちで行われているのが『福岡の市』。
毎月第4日曜日に開かれる地産地消の青空市です。
福岡の市には毎回、地元の旬の野菜やフルーツ、それらを使った手作りの品々が並びます。
こちらは、無添加・手作りにこだわった地元の『名刀味噌』の赤味噌。
牛窓のかまぼこ屋・中光商店では、揚げたてのかまぼこが食べられます。
こちらはなんと本物の『刀匠(とうしょう)』による包丁研ぎ。
備前福岡とお隣の備前長船は、刀剣の産地としても有名で、実に国宝の刀剣の半分がこのまちから生まれています。黒田家の家宝で、国宝『一文字』も備前福岡でつくられました。
このまちでは、今でも多くの刀匠が刀をつくっているのです。
一遍上人の辻説法を模し、毎回、地元・妙興寺の住職が辻説法(つじぜっぽう)を行います。
さすが、中世随一の商都。演出もひと味違います。
福岡の市がはじまったのは、2006年2月。
地方創生と言われ、多くの地域がまちおこしを企画していますが、継続していくのはとても大変なこと。けれど福岡の市は、出店者たちも楽しみながら気付けば開催回数も100回超。今では、岡山の名物市として、地元の方から観光客まで多くの方が訪れ、かつてのにぎわいをまちに呼び戻しています。
備前福岡の市
場所/備前福岡の市史跡 岡山県瀬戸内市長船町福岡1588-1
開催/毎週第4日曜日8:00-11:00
FACEBOOK/https://www.facebook.com/備前福岡の市
瀬戸内Finderフォトライター 浅井克俊/アサイアサミ(ココホレジャパン)
この記事を取材したフォトライター
ココホレジャパン
浅井 克俊/フォトライター 地域おこしプロデューサー・瀬戸内市地域おこし協力隊。 1974年、横浜生まれ。既婚・息子ひとり。広告代理店経て、タワーレコードに入社。 ブランドマネジメント、セール・キャンペーンの企画制作、タイアップ、ライヴイベントの企画運営などに携わる。 販促企画部部長、ライブ事業部部長を経て、2012年9月に退社。縁もゆかりもない岡山県瀬戸内市に移住。 同年10月より瀬戸内市地域おこし協力隊として活動をはじめる。 2013年7月「地域の魅力を 広告する会社」ココホレジャパン設立。 古民家再生、特産品の開発、地域ブランディングなどに取り組む。 ココホレジャパン http://kkhr.jp/ アサイアサミ/フォトライター エディター&ライター。 ジャンルは主にソーシャル、音楽、暮らし(家)。東京生まれの東京育ちが2012年にノリで岡山県瀬戸内市に移住しました。雑誌は「リンネル」「田舎暮らしの本」「クウネル」などで執筆。オモシロイ友だちの書籍なども制作しています。 またFM岡山の番組ディレクター、構成作家なども。 読ませる字から聞こえる字まで、モノヒトコトを日々かきかきしています。 ココホレジャパン http://kkhr.jp/この記事が役に立ったらいいね!してね