話題を醸(かも)す !!

報道各社のニュース記事や巷(ちまた)の話題などを 「みそやの大将」が醸します。✪
MENU
人類進化

日本人の祖先、いつどこから来た? 定説の3ルートとは



AS20160624002804_comm.jpg
日本人 いつどこから


 日本人の祖先が日本へ渡ってきたルートや時期が、遺跡に残された石器や人骨の研究で絞り込まれてきた。約3万8千年前以降に、東アジアの各地から三つの道をたどってきたようだ。黒潮が流れる海を越えてきた人たちもいる。

 いま世界中にいる現生人類(ホモ・サピエンス)は約20万年前にアフリカで誕生し、約6万年前から世界へ拡散しはじめ、その後、東南アジアやバイカル湖付近へ到達した。日本へは、いつ、どこから渡ってきたのか。

 遺跡や化石、遺伝子などの研究から、定説となってきたルートは三つ。朝鮮半島から対馬経由で西日本に入る「対馬ルート」、シベリアからサハリン経由で北海道へ南下した「北海道ルート」、そして台湾付近から琉球列島への「沖縄ルート」だ。

 対馬ルートで渡ってきた時期について、首都大学東京の出穂雅実准教授(考古学)は「約3万8千年前」と絞り込む。

 地球は約7万年前から約1万年前まで寒冷な氷期になり、海面が今よりも低かった。3万年前より古い国内の遺跡のうち、「古本州島」として陸続きになっていた九州、四国、本州の各地から条件がよいものを厳密に調べたところ、最も古いのが約3万8千年前で、それ以降、急に増えていた。朝鮮半島とは海で隔てられていたが、対馬などを伝っていけば目視しながら渡ることができた。

 北海道ルートはシベリアまで陸続きだった。出穂さんによると、約2万6千年前以降の北海道の遺跡から見つかる「剥片(はくへん)石器群」と「細石刃(さいせきじん)石器群」がシベリアのものと似ており、生活が共通していたことがうかがえるという。「氷期で最も寒かった2万4千年前からの2千年間、シベリアに遺跡がほとんどない。南下して北海道へ避難してきた可能性もある」

 人類のDNA解析データを調べた山梨大の安達登教授(人類遺伝学・法医遺伝学)も「シベリアから南下したと考えられる」と話す。北海道の縄文時代の人骨と共通する遺伝子型が、現代の東シベリアの先住民に多く見られる一方、朝鮮半島の現代人には非常に少なく、台湾や東南アジアには見られなかったからだ。

■知力生かし航海か

 沖縄ルートは難関だ。国立科学博物館(科博)の海部陽介・人類史研究グループ長によると、渡ってきたのは「3万年以上前」。那覇市山下町の遺跡で約3万6千年前、沖縄本島南部の八重瀬町港川や石垣市白保で2万年以上前の人骨が見つかっている。白保の人骨のDNAを解析した科博の篠田謙一・人類研究部長は「今の東南アジアに特徴的な遺伝子型を持っている。南方から北上した人たちが白保に到達したと考えられる」。

 しかし、琉球列島最西端の与那国島と台湾の距離は最短でも約110キロある。東京大の横山祐典教授(古気候学・地球化学)によると、当時の日本周辺の海面は今より50~60メートル低かったが、このあたりの海の距離は現在と大差がなかったという。大陸と陸続きだった台湾から舟で渡るとしても、間を北上する黒潮に流されるので、航行距離はもっと長くなる。

 本当に海を越えられたのか。

 海部さんは「航海術を持っていたとしか考えられない」と話す。3万年前の航海を再現しようと、海部さんら科博の研究者や海洋冒険家、草舟職人、与那国町職員のチームは7月、まず与那国島から西表島までの約70キロを草舟で渡る実験をする。篠田さんは「ホモ・サピエンスはアフリカを出て世界へ拡散したとき、現在の人間と同じ知力を持っていた。わたしたちが思いつくことは当時の人たちも考えていただろう」と話す。

■旧人・原人 いた?

 約3万8千年前に日本へ渡ってきた人類がホモ・サピエンスだといえる根拠は、遺跡にも残されている。

 日本旧石器学会会長の佐藤宏之・東京大教授(考古学)によれば、3万年以上前にできたとみられる落とし穴が国内で400基ほど見つかっている。静岡県三島市では100メートルにわたり60基が連なる遺跡が発見された。「これほど大規模な落とし穴群をつくれるのは、知能の高い今の人類しか考えられない」と話す。

 季節ごとに移住している様子などもあり、複雑な行動をしていたことがうかがえるという。

 ただ、東アジアには北京原人やジャワ原人など、今は絶滅した古い人類がいた。欧州などでは、旧人のネアンデルタール人がホモ・サピエンスと共存していた時期があると言われている。日本にも、ホモ・サピエンスが渡る前に原人や旧人がいた可能性はないのか。この点は研究者の間でも見解がわかれているという。

 かつて日本では人類の遺跡が約70万年前までさかのぼれると言われていた。だが、2000年、これらの遺跡はアマチュア研究家が石器を埋めて掘り出した捏造(ねつぞう)だったと判明。日本における原人や旧人の研究は白紙に戻った。

 ただ、近年の研究でも、10万年より古い可能性のある遺跡が存在するとの見方はある。今後、新たな発見などがあれば、研究が進展するかもしれない。(神田明美)

■人類の起源は?

 最初の人類である初期猿人がチンパンジーとの共通祖先から分かれたのは約700万年前。その後、原人や旧人など様々な人類が誕生した。

 かつては、世界各地でそれぞれ原人→旧人→現生人類へと進化したという「多地域進化説」が唱えられていたが、今ではホモ・サピエンス以外はすべて絶滅したとする「アフリカ単一起源説」が信じられている。世界中の現代人のDNAを比べると、共通祖先が20万年前ごろのアフリカへたどれるという遺伝学的証拠のほか、化石の骨の形や考古学的な証拠もある。

神田明美

2016年7月3日14時41分
詳細は↓をCLICK
朝日新聞

関連記事
スポンサーサイト

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

該当の記事は見つかりませんでした。