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技術・研究

(ひらけ!進路・新路・針路)花開く夢の糖 希少糖パワー、世界が注目

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希少糖研究を担う「生産ステーション」で研究する香川大の学生たちと何森名誉教授(前列左端)。ここで希少糖の大量生産に成功したことが、様々な分野での研究につながった=香川大国際希少糖研究教育機構

■今日の授業(9日)花開く夢の糖

 自然界にわずかしか存在しない糖「希少糖」。かつて何の役にも立たないと思われていた「落ちこぼれの糖」は、今や食品としてだけではなく、農薬や化粧品、工業製品まで、無限の可能性が広がる「夢の糖」として注目を集めています。研究発祥の地、香川をたずねました。
Kagawa univ

 ■食品・医療…広がる領域
 高松市に隣接する香川県三木町の香川大学農学部キャンパス。希少糖研究の心臓部「希少糖生産ステーション」では、日々学生たちが希少糖の生産と分析研究を重ねる。
 希少糖は自然界にわずかしか存在しない糖の総称。砂糖の7割の甘さがありながら、糖の吸収を抑える抗肥満作用があるなど、様々な効果が注目されている。
 その希少糖の大量生産に初めて成功したのが、香川大だ。名誉教授の何森(いずもり)健さん(73)が発見した酵素の働きで、果糖から希少糖を作ることが可能になった。
 香川大では、ここで生産した希少糖をもとに、農学部、医学部、工学部、教育学部などが連携して希少糖研究を進める。
 農学部4年の大谷夏生さん(22)は、農薬としての可能性を研究している。実験で希少糖を混ぜた水溶液を稲にかけたところ、病気に強い傾向などが確認できた。なぜそうした作用を生むのか、メカニズムは謎だ。「希少糖には予想のつかない力が潜んでいる。未知の可能性をひしひしと感じる」
 同じ研究室の石原亜由美さん(23)は、植物の病原体となるカビに対する希少糖の効果を調べている。「全ての研究に前例がないので、常に世界初の研究に挑戦できる面白さがある」と言う。
 農学部以外では、アンチエイジング効果や医療品開発、工業分野での研究も進む。米誌「ニューズウィーク」が2015年、希少糖の特集を組み、世界から注目を集める。
 研究は地域活性化にも一役買っている。
 農学部から車で約30分の場所にある「三木町希少糖研究研修センター」。少子化の影響で約10年前に閉校になった学校で、三木町と香川大が連携して研究施設として活用している。
 ここで働くのは、地域の高齢者たち。白衣に白い手袋をはめ、両手に握ったピンセットを器用に使い、観葉植物「ズイナ」の苗を茎を短く切って、シャーレの培地に植えていく。地球上に約20万種ある植物の中で唯一希少糖D―プシコースを含むズイナの組織培養。農学部が研究用に技術を開発し、地元住民が作業を担う。学生と住民の交流の場所にもなっている。
 多田初江さん(82)は「最初はうまくできるか不安だったけど、学生さんたちがようけ教えてくれてな」と言う。鎌谷誠一さん(66)は「ここに来ると若い人からエネルギーをもらえて、いい気分転換になる。我々のパワースポットよ」と笑う。

 ■当初は見向きもされず
 今や海外からも注目を集める希少糖研究は25年前、香川大でひっそりと生まれた。
 木々に囲まれたキャンパスの一角に「希少糖研究発祥の地」と刻まれた石碑がある。
 当時、希少糖は研究者の間で「見向きもされない糖」で、研究対象にもなっていなかった。だが、何森さんは「世の中に存在するものには必ず意味がある」と信じて希少糖の生産、研究を続けた。
 希少糖作りに必要な新しい酵素を探そうと、あらゆる場所の土を採取し、調べていた。25年前、農学部食堂裏の土の中から、その酵素を発見。希少糖の大量生産が可能となり、一気に研究が花開いた。「人は人生に一度か二度は自然からプレゼントをもらえる。あの時がまさにそうだった」と振り返る。その後、何森さんは、約50種類ある希少糖の全てを人工的に作ることができる設計図「イズモリング」を完成させた。
 臨床実験を繰り返す中で、糖の吸収を抑えるなど、希少糖の知られざる「能力」が明らかになっている。
 希少糖の名前を広めたのは、希少糖を含むシロップ「レアシュガースウィート」。香川大とでんぷんメーカーの松谷化学工業(兵庫県)などが協力して開発し、2013年から全国販売を始めた。健康志向の消費者の心をつかみ、商品は大ヒット。希少糖を使った商品は、ソーダやあめ、ケチャップなど今や千種類以上ある。
 「研究の世界には、希少糖のようにまだ見落とされているものがある。地方大学だからこそ、時間をかけてじっくりとできることがある」と何森さんは考えている。
 (宮嶋加菜子)

 ■<ここが大事>効率重視では出会えない 香川大・何森健名誉教授
 もともと私が希少糖研究を始めた理由は、誰もやっていない研究だったから。当時、希少糖には誰も見向きもせず、研究費用はほとんどなかった。だからこそ、明るくじっくりと研究ができる、と思えました。四国のお遍路さんと同じです。効率を重視してお金を使ってタクシーで回ったら、思いもよらない出会いや喜びもない。
 今はすぐに結果を求められる時代ですが、私は新しい何かは、時間をかけて自分の五感を使う中でしか生まれないと思います。研究や学びの中で、自分だけの宝物を見つけよう。そんな気持ちを持って大学をめざしてみてはどうでしょうか。

2016年10月9日05時00分
詳細は↓をCLICK
朝日新聞



ご覧頂いた皆様ありがとうございます。
この記事は朝日新聞さんが大学選びの一例として紹介頂いた記事です。

 何森名誉教授は小生の大学研究室時代の助手の先生で、同じ研究室出身の直接の先輩(云わば兄弟弟子)にあたられます。
同研究室での研究成果が世界的にも認められ、地元香川県をはじめ地域おこしの素材としても多方面に紹介されています。
私達が入学した当時(約30年前)は、高度成長時代であり、理系の花形学部は工学部・理学部等であり、農学部はマイナーな存在に甘んじていたと思います。
ところが近年 暮らしや食、或いは自然に近い学部として見直し気運が高まり、入学希望者が増加傾向にあるようです。
元々男子学生が主体の学部ではありましたが、徐々に女性の比率が増しているとのことです。

将来の方向性を決める大学選び、是非農学部に関心を持っていただければ幸いです。
何森先生をはじめ後輩諸氏の益々のご活躍をお祈り致します。
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